その壁をひっそりとさせる
壁をひっそりとさせるには。
画鋲を壁に刺すたびに、
「ごめんなさい」と何度思ったことか、
それぐらい忍びないのです。
画鋲を壁に刺すことは。
神は細部に宿る、というけれど
細かいところほど気になるものです。
ちょっとした汚れ、傷なんか気になり出すと
とまらないのです。
先っぽがL字
針の断面がL字型なので、
刺した跡がわかりづらい。
丸形よりは断然わかりづらい。
近くで見ないと気付かない。
ただ、あれです。ピンを刺した状態で
まわすと酷いことになる。それだけ。
壁は一面どうにかしたいけれど、
何もできなかったのですが。
これで何とかしてあげられそうな気がする。